建具の基本分類:5種類を押さえる
建具とは、壁・床・天井の開口部に設置する「開閉できる仕切り」の総称です。図面を正確に描くためには、まず建具の種類と特徴を整理しておく必要があります。
- 開き戸(片開き・両開き):ヒンジ(蝶番)を軸に回転して開閉。最も一般的な建具
- 引き戸(片引き・引違い):レールに沿って横にスライドして開閉。開き代が不要
- 折れ戸(クローゼット扉など):パネルが折りたたまれて開閉。収納開口によく使われる
- 回転扉(回転ドア):ホテルのロビーなどに使われる。建具表には特記として記載
- FIX(Fix Light):開閉しない固定窓。採光・眺望目的。建具記号で固定を明示
図面記号の描き方(JIS A 0150準拠)
建築図面では、JIS A 0150(建築製図通則)に基づいた建具記号を使います。記号を正しく描かないと、施工者や他の設計者が建具の種類・開き方を誤読する原因になります。主な記号を確認しましょう。
開き戸
平面図では、「壁の開口部」と「扉の軌跡(円弧)」で表します。ヒンジ側が壁に固定されており、反対側が円弧を描いて開く方向を示します。片開きは扉1枚の円弧、両開きは2枚分の円弧を左右対称に描きます。
引き戸
平面図では、開口部に細長い長方形(扉パネル)を描き、スライド方向を矢印または破線で示します。引違い戸の場合は2枚のパネルを重ねて描き、どちらの方向にも開くことを示します。
折れ戸
平面図では、折りたたまれた状態のパネル(ジグザグの線)と、開口部の範囲を示します。クローゼットの場合は開口全幅に対してパネルが半分ずつ折り重なる形で描くのが一般的です。
FIX窓
平面図では、壁の開口部に「×(クロス)」を入れて固定窓であることを示します。立面図・展開図では開閉記号を描かず、枠のみを描くか「FIX」と文字で記載します。
Vectorworksでの建具配置の基本操作
Vectorworksでは「建具シンボル」を使って壁に建具を配置します。壁ツールで壁を作成した後、建具ツール(またはシンボルライブラリ)から建具を選択して壁上をクリックすると、自動的に壁に開口が生成されます。
注意点として、引き戸は「引き込み寸法」を壁の仕様に合わせて設定する必要があります。壁厚が薄すぎると戸袋が納まらないため、壁厚と建具種別の組み合わせを事前に確認しておきましょう。
私の失敗談:記号を間違えてクライアントと認識齟齬
以前、クローゼット開口の折れ戸を、平面図で誤って「開き戸の記号」で描いてしまったことがあります。クライアントはその図面を見て「開き戸が付くのだと思っていた」と言い、現場で折れ戸が設置された際に「聞いていない」という話になりました。
記号ひとつの違いで施主の理解が変わることを身をもって知りました。それ以来、建具表と平面図の記号を必ず照合するチェックを習慣にしています。クライアントに図面を渡す前に「記号の凡例」ページを添付するのも有効です。
建具素材ページとの連携
NAISO Labでは、建具の2D図面用SVG素材(開き戸・引き戸・折れ戸・FIX)の配布を予定しています。Vectorworksのシンボルとして読み込める形式で提供予定です。公開後はこちらの記事にリンクを追加します。
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