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【Vectorworks】ハッチングとタイルの違いと使い分け

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内装設計の現場でVectorworksを使い始めると、面の塗り設定で「ハッチング」と「タイル」の両方が並んでいることに気づきます。筆者が最初に戸惑ったのも、まさにここでした。確認申請図書を作っていたとき、断面表現にタイルパターンを使ってしまい、審査担当者に「JIS準拠の断面ハッチングを使ってください」と指摘された経験があります。以来、2つの機能の使い分けは内装設計の基本スキルと位置づけています。この記事では、ハッチングとタイルの違いを実務視点で整理します。

ハッチングは「図面の言語」

ハッチングは、線や幾何学パターンでオブジェクトの面を塗りつぶすベクター形式の表現です。Vectorworks内部では数式的に描画されるため、どれだけ拡大しても線が荒れません。

主な用途は設計図・施工図の素材識別です。コンクリート断面には斜線ハッチング、木材断面には木目ハッチングといった具合に、JIS・ISO規格に準拠したパターンを使えば、施工者や審査機関が図面を誤読しません。平面詳細図でのタイル目地表示、地盤面の斜線、断熱材の表示なども同様です。

印刷解像度に影響しない点もハッチングの実用的な強みです。A3図面をA1に拡大出力しても、ハッチングの線は常にシャープに印刷されます。ファイルサイズへの影響もほぼゼロです。

Vectorworksでの操作手順

  1. 塗りたいオブジェクトを選択
  2. 属性パレットの「塗り」ドロップダウンで「ハッチング」を選択
  3. リソースマネージャーからハッチングパターンを選んで適用
  4. ハッチングの角度・スケールは属性パレットまたはダブルクリックで変更

タイルは「ビジュアルの演出」

タイルは、画像やパターンを繰り返してオブジェクトの面を塗りつぶす表現です。写実的な素材感を平面上に再現できるため、クライアントへのプレゼンや内装イメージボードに使います。

床材のフローリング木目・ヘリンボーン張り、壁のレンガ模様・大判タイルのグリッド、天井の木格子パターンなど、実際の仕上がりイメージに近い表現が可能です。ただし、画像解像度に依存するため、出力サイズに合わせた設定が必要です。ファイルサイズもハッチングより大きくなりやすく、複数ページの図面では動作が重くなることがあります。

Vectorworksでの操作手順

  1. 塗りたいオブジェクトを選択
  2. 属性パレットの「塗り」ドロップダウンで「タイル」を選択
  3. リソースマネージャーからタイルパターンを選んで適用
  4. タイルのサイズ・オフセット・角度はタイル編集ダイアログで調整
  5. カスタムパターンは「リソース」→「タイルを作成」で定義可能

2つの使い分け:用途で選ぶ

シーン 推奨
確認申請図書・施工図の断面・素材表示 ハッチング
内装プレゼン・提案書のビジュアル タイル
平面詳細図でのタイル目地 ハッチング(または両方)
クライアント向けイメージパース タイル
3Dモデルの面の仕上げ表示 タイル

判断の基準はシンプルです。読み手が施工者・審査機関なら→ハッチング、読み手がクライアント→タイル。1枚の図面でも、断面表現はハッチング、床の仕上がりイメージはタイルと混在させることもあります。

まとめ

ハッチングとタイルの違いを理解したら、次は自社や現場の用途に合わせてリソースライブラリを整備することをお勧めします。よく使うハッチングパターンとタイルパターンをテンプレートに登録しておくと、図面を開くたびに探す手間がなくなります。NAISO Labでは、Vectorworksのリソース管理に関する記事も順次公開しています。

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