建築図面で使うシンボル——便器、洗面台、浴槽、キッチンシンク——これらには「こう描くべき」という標準があります。JIS規格(JIS A 0150)が建築製図の通則として定められており、主要な設備記号の形状が規定されています。ただし実際の設計現場では「だいたいこんな形」で使われていることが多く、規格通りの厳密な形を手元に持っている設計者は意外と少ない。NAISO Labでは、JIS規格を参考にしながら実務での汎用性を重視したSVGシンボルを無料公開しています。
平面図記号とは何か
平面図記号とは、建築図面の平面図上で設備や建具を表すために使う簡略化されたシンボルです。実際の形を正確に描くのではなく、「ここにトイレがある」「ここにキッチンシンクがある」を記号として伝えます。縮尺1/100前後の平面図では実物を細かく描き込むことができないため、誰が見ても分かる共通の記号が必要になります。
内装設計の現場で筆者が感じていた不満は、「CADに入っているシンボルがメーカー固有の形状で、他社図面と混在すると統一感が出ない」ことでした。JIS準拠の汎用シンボルを1セット持っておくだけで、この問題の多くは解決します。
JIS規格との関係——プロが知っておくべきこと
JIS A 0150「建築製図通則」では、便器・浴槽・洗面台・流し台などの形状が図面記号として規定されています。すべての記号を暗記する必要はありませんが、確認申請図面や設計事務所間での図面共有では、JISに近い形状を使う方が誤読リスクを下げられます。
NAISO LabのSVGはJIS A 0150の形状を参考にしており、特殊な変形は加えていません。実際のJIS規格票を参照したい場合は、日本規格協会(JSA)のサイトから購入できます。
NAISO LabのSVGシンボルのラインナップ
公開している設備系シンボルは以下の通りです。住宅・店舗の内装設計で頻出するものを優先して制作しました。
衛生設備:トイレ(洋式・和式)、小便器、洗面台(カウンター型・壁付け型)、浴槽(1坪・3/4坪・ハーフサイズ・ユニットバス形状)
厨房設備:キッチンシンク(1槽・2槽・L型)、ガスコンロ(2口・3口・4口)
その他:給湯器(壁掛け型)、洗濯機置き場
各SVGは単体でそのままコピーして使えます。複数を組み合わせて洗面室やユニットバスのレイアウトを組む使い方にも対応しています。
ダウンロードと使い方
NAISO Labのフリー素材ページからZIP形式でダウンロードできます。解凍後はカテゴリ別のフォルダに整理されています。VectorworksへはSVGインポート機能から、PowerPointへは「図として挿入」から取り込めます。商用利用・改変は自由です。帰属表示も不要です。
建築図面の記号は「なんとなく描けている」状態から、JIS準拠の形状を手元に持っている状態に変えるだけで、図面の説得力が変わります。特にお施主様への説明図や施工会社への伝達図では、標準的な形状の記号を使うことで誤読を防ぐ効果があります。なお、建具・家具シンボルを含む総合版はこちらの記事で紹介しています。こちらは設備系の平面図記号に特化したセットです。
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